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M-aid web版 Vol.5    

消費税法の改正

~課税事業者選択届出書、簡易課税制度選択届出書の提出は慎重に!~


今回は、平成22年度税制改正により、免税点制度と簡易課税制度の適用が見直された
消費税法についてご紹介します。

この見直しにより、「課税事業者選択不適用届出書」や「簡易課税制度選択届出書」の提出に
一定の制限がかかることになりましたのでご注意ください。消法9⑦、消法12の2②、消法37②)


具体的には・・・

①課税事業者選択届出書を提出し、平成22年4月1日以後開始する課税期間から課税事業者となる場合

②平成22年4月1日以後に資本金1,000万円以上の法人を設立した場合


それぞれの場合に、

③その課税事業者となった課税期間の初日から2年を経過するまでの間に開始した各課税期間に
100万円以上の調整対象固定資産(注1)の課税仕入れ(調整対象固定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取を含みます)を行い、
かつ、その仕入れた日の属する課税期間の消費税を一般課税で申告した場合


には、その税仕入れ等を行った日の属する課税期間の初日から原則として3年間
一般課税が強制されます。

すなわち3年間は免税事業者となることも簡易課税制度の適用を受けることも出来ません。



たとえ、調整対象固定資産の課税仕入れ等を行う前に、既に「課税事業者選択不適用届出書」又は「簡易課税制度選択届出書」を提出している場合でも、
「課税事業者選択不適用届出書」又は「簡易課税制度選択届出書」の提出制限の規定の対象となる場合には
これらの届出書の提出がなかったものとみなされます(消法9⑦、消法37③)。


また、3年間の間に調整対象固定資産を売却等した場合であっても引き続き一般課税が強制されます。
ただし、調整対象固定資産を売却等した場合は課税売上割合が著しく変動していても、調整対象固定資産に関して消費税額の調整(消法33)を行う必要はありません。

この改正により一般課税で申告を行う全ての事業者も調整対象固定資産を取得してから3年間免税事業者に戻ることや、
簡易課税制度を選択することができないので注意が必要です。



国税庁が「消費税法改正のお知らせ」のパンフレットで具体的な事例についての取り扱いを公表していますので、一度確認してみてはいかがでしょうか。
リンク:国税庁HP「消費税法改正のお知らせ」


注1)調整対象固定資産とは・・・棚卸資産以外の資産で、建物及びその附属設備、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、
車両及び運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権等の無形固定資産その他の資産で、
その資産の支払対価の105分の100に相当する金額又は保税地域から引き取られるその資産の課税標準である金額が
一の取引単位につき100万円以上のものをいいます(消法2①十六、令5)。

(このコンテンツは、平成22年6月1日現在の法令・通達等により作成しています。)

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