Everybody Genius【経営者はみんな天才!】



八和田 靖夫様
鶴亀温水器工業株式会社 代表取締役社長

事業内容:金属製品製造、建設業
http://www.tsuru-kame.co.jp

今回は、森川コンサルティンググループと40年以上もお付き合いをいただいております、鶴亀温水器工業 株式会社の八和田社長にお話をお伺いしました。
長い歴史の中で培われてきた経験と実績を武器に、これからの変化を先駆けた仕掛けを考えられております。

森川(以下:M):鶴亀温水器さんの仕事内容について、簡単に教えてください。


八和田社長(以下:Y):基本的には、常にきれいな水を提供して、常にお客様が快適だと思える水温を保ったり、お客様に満足してもらえる「水」を提供しています。
当初は、公衆浴場を中心にしておりましたが、次々と増えていくゴルフ場の大浴場や、スイミングプールやフィットネスクラブのプールのろ過の仕事も増えてきました。
現在は、そういった浴場・プール等の設備設計や施工。メンテナンスを中心にさせていただいております。


M:社長が三代目ですが、創業されて何年になりますか?

Y:昭和16年に創業した会社で、65年になります。
弊社が創業するきっかけになったのが温水器なのですが、温水器とは排湯中の熱エネルギーを回収して再利用する省エネルギー機器のことです。
例えば、お風呂に入ったときに溢れたお湯は当然捨てることになるのですが、そのとき公共下水道や河川へ放流する熱排湯は25度以下にしないといけないのです。
そのお湯の熱を取ってあげる機械「温水器」を創業者が開発して、創業当時は、温水器を取り扱っていました。
これまでは、メンテナンスや工事が増えてきていたので、製造台数が減って来ていましたが、地球温暖化や環境汚染が深刻になっている現在、省エネになるとか、CO2の削減につながるということで、公衆浴場だけでなく、その他の施設でも注目をされるようになってきました。
自社製品として開発されてから、製造台数が減ったりもしましたが、技術継承をきちんと続けてきたことが、今になって本当によかったと思います。
燃料代が高騰している今、取り付けるだけで燃料費が削減できるメリットも、しっかりとアピールしていきたいと思っています。


M:60年前に開発した商品が、現在で注目されているのはすごく素晴らしいことだと思います。本当に歴史を感じさせられます。
最近は、東京支店も開設され精力的に活動の幅を広げておられますが?

Y:昨今では健康産業やフィットネスクラブやスーパー銭湯などが全国で展開されていますが、やはりチェーン店なので、本部がすべて東京になります。
出店計画からメーカーの選定まですべて東京の本部で決められてしまいます。
そのため、大阪でいくら営業をしていても全然かすりもしないんです。
だったら、懐に入っていかないと!! と思って、東京に支店を置くことにしました。
最初は、大阪の会社が東京で何が出来るの?? という感じだったのですが、理解してもらうためにプレゼンテーションをして、弊社のメリットを感じてもらえるようにしました。
もともと我々の業界には、自分の本拠地を中心にして、あまり外に出て行こうとしないというところがありました。弊社でも、以前であれば北海道や九州に仕事があることが分かっていても、遠方を理由に受けなかったのですが、情報発信される本部の近くにいることで、全国にどのくらいの物件が出来ているかという実態を肌で感じるようになりました。そこで、選り好みをすることをやめて、全国どこでも行きます。というスタンスで営業をするように転換しましたところ、重宝していただくことが出来、大手のスポーツクラブ各社から、指定メーカーとしてお付き合いさせていただくことになりました。
また、本部と直接コミュニケーションをさせていただくこととなってから、大切にさせていただいているモノがあります。 それは、オーナーの気持ちです。これまでは、弊社は下請けになりますので、直接仕事をくださる元請けしか見ていませんでした。ですので、元請けに「これ辞めとけ」とか、「あれ辞めとけ」と提案されるとその通りしていましたが、オーナーの気持ちを考えたときに、守らないといけないモノが見えました。
正直、大阪中心でやっていた時は見えていませんでした。
もともと、公衆浴場はオーナーから直接営業を受けていたので、実はやっていたんですよね。それが、一般の物件をするようになって、目線がゼネコンや設計事務所に向いてしまって、オーナーの気持ちを大事にするということを忘れていました。
東京で仕事をすることで、目線を戻すことが出来ました。


M:もともと生活必需品だったお風呂が、スーパー銭湯がブームになったりとずいぶん嗜好が変わってきています。社長としては、今後どのように変化し、どういう風に動いて行かれますか?


Y:そうですね。おっしゃるとおり、生活必需品としてのお風呂ではなく、最近では健康や美を追究した形になってきています。ダイエットに効くとか、肌が綺麗になるとか。形を変えて新しいモノが出来てきています。岩盤浴が一世風靡したように。そういった新しいモノをいち早く発見して、発信できるよう、常にアンテナを立てていきたいです。
また、健康嗜好という意味では、お風呂に入ったり、プールで泳いだり、フィットネスクラブでスポーツすることで健康な体が作られるようになって、お医者さんにかからない体を作ることが出来るのではと考えています。
そういった予防医学的な考え方がもっともっと浸透して、お医者さんのいらない世の中の提案をしていければ。と思っています。