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M-aid web版 Vol.54

法人税率の変更について


来年2019年10月1日から消費税が8%から10%に変更になりますが、同じく2019年から変更になる法人税率についてとりあげたいと思います。
というのも、ほぼすべての中小企業にとって影響のある改正なのですが、あまり注目されていない気がするので、一覧表にまとめてみました。
本店所在地や会社の規模によって法人の税率が多少変わりますので、前提条件として当事務所のある大阪市に本店所在地を置く、資本金1億円以下の中小企業で大企業の子会社でない会社の場合としました。

【平成30年3月31日以前開始事業年度】
  法人所得 400万円以下 800万円以下 5000万円以下 8834万円以下 8834万円超
国税 法人税 15.00%  15.00% 23.40% 23.40% 23.40%
地方法人税  0.66%  0.66% 1.03% 1.03% 1.03%
大阪府  法人事業税 3.40% 5.10% 6.70% 7.18% 7.18%
 地方法人特別税 1.47%  2.20% 2.89% 2.89% 2.89%
 法人府民税 0.48%   0.48% 0.75% 0.75% 0.98%
大阪市 法人市民税 1.46% 1.46% 2.27% 2.27% 2.78%

合計

表面税率 22.46% 24.90% 37.04% 37.52% 38.27%
実効税率 21.42% 23.20% 33.80% 34.09% 34.77%


【平成30年4月1日~平成31年3月31日開始事業年度】
  法人所得 400万円以下 800万円以下 5000万円以下 8903万円以下 8903万円超
国税 法人税 15.00%  15.00% 23.20% 23.20% 23.20%
地方法人税  0.66%  0.66% 1.02% 1.02% 1.02%
大阪府  法人事業税 3.40% 5.10% 6.70% 7.18% 7.18%
 地方法人特別税 1.47%  2.20% 2.89% 2.89% 2.89%
 法人府民税 0.48%   0.48% 0.74% 0.74% 0.97%
大阪市 法人市民税 1.46% 1.46% 2.25% 2.25% 2.76%

合計

表面税率 22.46% 24.90% 36.81% 37.29% 38.03%
実効税率 21.42% 23.20% 33.59% 33.88% 34.55%


【平成31年4月1日~平成31年9月30日開始事業年度】
  法人所得 400万円以下 800万円以下 5000万円以下 8765万円以下 8765万円超
国税 法人税 19.00%  19.00% 23.20% 23.20% 23.20%
地方法人税  0.84%  0.84% 1.02% 1.02% 1.02%
大阪府  法人事業税 3.40% 5.10% 6.70% 7.18% 7.18%
 地方法人特別税 1.47%  2.20% 2.89% 2.89% 2.89%
 法人府民税  0.61%   0.61% 0.74% 0.74% 0.97%
大阪市 法人市民税 1.84% 1.84% 2.25% 2.25% 2.76%

合計

表面税率 27.16% 29.59% 36.81% 37.29% 38.03%
実効税率 25.90% 27.58% 33.59% 33.88% 34.55%


【平成31年10月1日以後開始事業年度】
  法人所得 400万円以下 800万円以下 5000万円以下 8765万円以下 8765万円超
国税 法人税 19.00%  19.00% 23.20% 23.20% 23.20%
地方法人税  1.96%  1.96% 2.39% 2.39% 2.39%
大阪府  法人事業税 5.00% 7.30% 9.60% 10.08% 10.08%
 地方法人特別税

 法人府民税  0.19%   0.19% 0.23% 0.23% 0.46%
大阪市 法人市民税 1.14% 1.14% 1.39% 1.39% 1.90%

合計

表面税率 27.29% 29.59% 36.81% 37.29% 38.04%
実効税率 25.99% 27.57% 33.59% 33.88% 34.55%

 ※平成31年10月1日以後に開始する事業年度から、地方法人特別税が廃止され、法人事業税に復元されます。
 ※平成31年10月1日以後に開始する事業年度から、地方法人税が増税され、その分法人市民税・法人府民税が減税されます。
 ※小数点3位以下を四捨五入しているため合計欄の数字と各税率の合計が異なる事があります。



表の見方

表の見方としては横軸に会社の利益(所得)ごとに税率を表示しています。それぞれの金額を超えた場合、超えた部分にだけその欄の税率が適用されます。時々誤解されている方もいらっしゃいますが、利益が増えると利益全体にかかる税率が上がるわけではありません。
合計欄の表面税率と実効税率の違いは表面税率は実際に決算時に納税する税額のもとになるものですが、法人の利益に対する税金のうち法人事業税と地方法人特別税については翌期の経費(損金)となるため、その分は実際の負担となる税率が下がるという理屈で計算されるものです。

見るべきポイント

一覧表にまとめてみましたがいかがでしょうか?ややこしいので合計欄を見るだけでもいいと思います。
見るべきポイントとして大きく合計税率が変わるのは2点です。

1.利益が800万円以下かそれ以上かの部分
2.平成31年4月1日以後開始する決算期から利益が800万以下の合計税率が表面税率で4.7%
 実効税率でも4.38%増えます。

この改正で利益が800万円を超える会社にとっては納税額が年間約37万円増える計算になります。

※国税局ホームページ参照
URL:http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/01.htm


(このコンテンツは、平成30年10月10日現在の法令・通達等により作成しています。)